POM(ポリアセタール・ジュラコン)とは?特徴・加工方法・用途まで完全ガイド!【樹脂加工のプロが解説】

POM(ポリアセタール・ジュラコン)は、高い強度と耐摩耗性、優れた寸法安定性を持つエンジニアリングプラスチックです!

金属部品の代替として多く採用されており、精密機械部品やギア、摺動部品など、高い剛性と耐摩耗性が求められる用途に最適な素材

POM(ポリアセタール・ジュラコン)はホモポリマー(デュポン)とコポリマー(国内メーカー多数)に大別され、求める性能に応じて材料を選定できます!

POM(ポリアセタール・ジュラコン) の精密部品や耐久性が求められる機構パーツに最適です!

POM(ポリアセタール・ジュラコン)の特徴

  • 高い機械強度と剛性
  • 優れた摺動特性・耐摩耗性
  • 吸水率が低く、寸法変化が小さい
  • 耐疲労性に優れる
  • 耐溶剤性が高い(一部の薬品除く)
  • 連続使用温度:約100℃前後

POM(ポリアセタール・ジュラコン)は切削加工にも成形加工にも適した素材ですが、切削加工が特に多い樹脂です!

代表的な加工方法

  • CNC旋盤加工:シャフト、ブッシュ、ローラーなど
  • マシニング加工:成形品では難しい精密形状に対応
  • フライス加工:量産前の試作に最適
  • 射出成形:大量生産向け(成形収縮が大きいため金型調整が重要)

加工上の注意点

  • 熱伝導率が低く、切削熱がこもりやすい
  • 切りくずが長くなりやすく、工具絡まりによるトラブルが発生しやすい
  • 高速切削が可能だが、工具摩耗に注意

性能が近い素材との比較は、材料選定の重要ポイント!

POM(ポリアセタール・ジュラコン)に似た素材

  • MCナイロン(PA)
    • 似ている点:強度・耐摩耗性
    • 違う点:MCナイロンは吸水率が高く、寸法安定性はPOMが圧倒的に上
  • PEEK
    • 似ている点:耐摩耗性・強度
    • 違う点:PEEKは高温用途に強く、価格が非常に高い
  • ポリカーボネート(PC)
    • 似ている点:機械強度
    • 違う点:耐摩耗性は POM の方が優秀

POM(ポリアセタール・ジュラコン)はコスト・性能バランスが良く、選ばれやすい「汎用エンプラ」の代表格です!

メリット

  • 高い強度・剛性
    • 精密部品や負荷のかかる部分にも使用可能。
  • 優れた耐摩耗性・摺動性
    • ギア・ローラー・摺動部品に最適。
  • 寸法安定性が高い
    • 吸水率が低く、サイズ変化が小さいため精密加工向き。
  • 耐疲労性に優れる
    • 繰り返し荷重がかかる部品に強い。
  • 耐薬品性が良い
    • 多くの溶剤に耐える(酸・アルカリには弱い部分あり)。
  • 軽量で金属代替に適する
    • 省エネやコスト削減にも貢献。

デメリット

  • 耐熱性がそこまで高くない
    • 常用温度は約100℃前後。高温用途は不向き。
  • 紫外線に弱い
    • 屋外用途は劣化対策が必要。
  • 接着が難しい
    • 表面改質や専用プライマーが必要になる場合あり。
  • 燃焼時に有害ガス(ホルムアルデヒド)が発生
    • リサイクルや廃棄時は管理が必須。
  • 成形収縮が大きい
    • 射出成形では金型調整が難しい場合あり。

POM はリサイクル可能なエンジニアリングプラスチックですが、他樹脂と比べて 熱分解しやすく、慎重な処理が必要という特徴があります!

  • POM はリサイクル可能ですが、熱分解によるガス発生のため管理された処理が必須!
  • 再生材は強度・寸法安定性が下がるため、精密部品には新品材が基本
  • 長寿命化・軽量化などのメリットで、環境負荷を下げる側面もある
  • メーカー各社が再生材活用や低環境負荷グレード開発を進めている

POM のリサイクルの現状と今後の展望

POM は再生材利用が難しい素材とされてきましたが、近年はメーカーや処理業者が次の取り組みを進めています!

現状の取り組み

  • 再生材(PCR材)を活用した POM グレードの開発
  • 工場からの切削屑を集めて再原料化するリサイクルスキーム
  • 分解ガス対策が施された「環境負荷低減型POM」の研究開発

今後の展望

  • 炭素排出量(CO₂)の可視化と削減
  • POM 再生材の利用範囲が広がる可能性
  • SDGs/環境配慮型材料の需要増加
  • 材料メーカーによる循環型エコシステム構築

今後は「環境対応グレードの POM」が当たり前になる可能性も!?

POM(ポリアセタール・ジュラコン)は以下のような精密・摺動・耐摩耗がキーワードの部品でよく使用されます!

主な用途

  • 精密ギア
  • ローラー、プーリー
  • バルブ部品
  • シャフト、ピン
  • カム、リンク
  • 電子機器の内部パーツ
  • 自動車内装部品
  • 水関連機器の部品
  • スイッチ部品

POMとジュラコンの違いは?

ジュラコンはポリアセタール(POM)の商品名で、素材としては同じです!

切削加工で難しい点は?

切削熱が溜まりやすいため、工具の選定・切削条件の最適化が重要

食品用途にも使える?

食品衛生法適合品(FDA対応材)も市販されています。

POM(ポリアセタール・ジュラコン)は…

  • 高強度・高剛性
  • 優れた耐摩耗性・摺動性
  • 寸法安定性
  • 精密加工に適する

という特長を持つエンジニアリングプラスチックで、精密機構部品に最適な素材です!

「素材選びに迷う」「POMで加工可能か知りたい」などありましたら、樹脂加工の専門メーカーである エーピースミヨシ にお気軽にご相談ください!

加工技術

エイピースミヨシは最新NCマシンを駆使、部材調達・多品種の大小ロット生産・試作などトータルな供給体制を整えており多彩で高精度な加工技術を実現します。

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